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前回は台中でホテルへ戻るため
タクシーに乗車したところまで。

NT$260というのが納得いかないらしく
なんとも怪訝な顔の運転手。

まぁこっちも本当にその値段で来たわけであって
何もやましいこと無し。確かチップ渡してその値段だったと思う。

で、いまgoogle mapで調べたが
やはり最短は11.5km。どう考えてもNT$250ぐらい。
NT$300は無い。

ホテルから来る時は30分ぐらいだったのだが
15分ぐらい進んでも、先ほど通った路は
見えてこない...

何となく怪しくなってきた。

すると運転手、場所を聞くために
お店の前で停車。

暫くして戻ってきた。

「解りました?」

「大丈夫解った。あの山だ」

車は走り出した。

しか~~~し、行けども行けども"あの山"には
近づかない...寧ろ遠のいている感じ。

Google Mapを見て
道を思い出してみる。

乗車したところは三民路一段。
そこから三民西路へ。
ここで南屯路に曲がれば
あとは路なり、間違いなく着いたのに...

その次、民興街の通りを左折。
そのまま建國北路まで出てしまう。
そういえば線路沿い走ってましたね~~
今思い出しました。

何度か道を尋ね、行ったり来たりを繰り返す。

ホテルの周囲には兵隊さん達の宿舎があるようだ。

想うように進めない(といっても市内に簡単にいけたのだが)

やっとの事で山への入口らしき
道に出くわす。

「これで大丈夫だ!本当に悪かった」

「いえいえ、でも良かった~~良かった」

この頃には二人の間に険悪な雰囲気は
無くなっていた。

目的を共にした同士といった感じ。

「この辺りは兵隊さんが食事をするところだ」

運転手さんの説明する声も徐々に明るめに。

が...悲劇は突然訪れた。

行き止まり~~~

「ああ~~~~~」

運転手さんの悲痛な叫び...

来た道を戻る。

自分を卑下する運転手...

場所は忠勇路と建功路とが交差するあたり。
台中市政府警察局らへんだと。

通りを歩く人に道を尋ねる運転手。

「解った、解った!」

なんでも成功路方面へ行けばいいとのこと。

ところがだ。

車はどう間違ったのかしらないが
中彰快速公路へと入ってしまった。

「OH MY GOD!!!!!」

遠ざかる山...

頂上付近にそびえ立つホテルが
見える...

うつむく運転手...(事故るっつーの!)

なんとか運転手の気分を盛り上げようと
私は全然気にしていないとアピールする。

通りに入った所まで再び戻り
成功路を目指す...

ゲートが右側に見えた!
大きく『成功!」と書かれている。間違いない!

自信を取り戻す運転手。

「もう大丈夫だ、すまない、こんなに迷ってしまって」

急にスピードを上げ始める運転手。

「いいですよ、焦っていないから」正直怖い

進んでいくと、いきなり家が無くなり道が細くなってきた。

左をみると見晴らしが良い...

やがてキツネでもでそうな雰囲気になっていった...

「あの...運転手さん、この道違うと想うのですが...」

「そうだよな...」

無言でUターンする運転手。

向きを直すと運転手さんは
メーターを切った。

「タバコ吸うかい?」

「いえ。随分前に止めたので」

「そうか...」

「………………」

「すまない...こんなに時間を無駄にしてしまって
もうお金はいらない...」

なんだか気の毒に思えてきた。

来た路をまた逆戻り。

運転手さんがかなり落ち込んでしまったので
懸命に盛り上げる私。仕事の話、台湾の話、花蓮の話
とにかく話しかけた。

うろうろしている間に
何となくいける気配の道へ出くわす。

車の往来も多い。

「運転手さん、あの道はどうでしょう?」

「行ってみるか...」

すると永春南路へ出た。
昨日、ホテルへ向かう時走った通りだ。
間違いない。

しばらくすると...


み、見えた看板が!ホテルの名前が書かれた
看板が!

「お~~~~~~」

歓喜する二人!

しかし此までのケイケンジョー
ヨロコビスギナイ二人。

言葉を慎重に選びながら話す運転手、聴く私。

着いた!!

ホテルの入り口に車を横づけた運転手!

「到了!!!!!!」

自然と握手し喜び合う私達!

不思議そうに見つめるドアボーイ。

頑なに固辞する運転手にNT$400とジュースを
渡し私達は別れた。

1時間30分のドライブ。
まぁ市外観光市内観光したと想えば
安いものだ。


R0013045.JPG
R0013050.JPG

続く...
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