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☆クソの役にも立たない演習
イスラエルの軍隊である演習の時、橋に次のような標示がしてあった。
-本架橋は爆破されたものと見なす-
丘の上から参謀が双眼鏡で観察していると、歩兵一分隊が、標識にも関わらず
平然と橋を渡っている。激怒した参謀、押っ取り刀でジープをとばした。
兵隊たちを怒鳴りつけようとして、ふと兵隊が担いでいる旗を見ると、なんと
-水泳中- と書いてあった。
☆相手の方が役者が上
イスラエル陸軍の新兵が演習をしていた。
レビ2等兵が敵軍の軍隊を見つけたので、弾丸の入っていない銃を向けてダダダダ...
と、銃声のまねをしたが、敵兵は一向お構いなしに逃げていく。
レビ二等兵はすっかり腹を立てて怒鳴った。
「おまえは撃たれたんだから倒れなくちゃいけないんだぞ!」
「何いっているんだ。俺は戦車だ」 と敵兵から返事が返ってきた。
☆新聞の効能
ナチスの突撃部隊の将校が、列車でユダヤ人と乗り合わせた。
将校はナチスの機関誌を広げて、得々としていった。
「この新聞は非常にためになるので、必読してるのだ」
彼はついでユダヤ系の経済新聞を取りだしてまた言った。
「こいつは、尻を拭くにもってこいだ」
これを聞いたユダヤ人は、もみ手をしながら、うれしそうに言った。
「将校さん、それじゃあんたの尻が頭よりも利口になるのは間近というわけですな」
☆待ちこがれたトップニュース
ヒトラー政権が樹立された。
ベルリンに住むたいていのユダヤ人は、毎朝、新聞売り場でナチスの機関誌を買い1ページにざっと目を走らせただけで
くずかごに放り込むのが習わしだった
ある日、不思議に思った新聞売りが理由を聞いてみた。
「いや、死亡広告だけ探しているのさ」
「死亡広告は最後のページに出ていますよ」
「おれが探しているのは第1面に出るはずさ」
☆つかの間の吉報
ユダヤ人がナチスの圧迫されていた頃、ベルリンの街角で、二人の男が話していた。
「ところでコーンさん、二つばかりいいニュースがありますよ。一つは吉報、もう一つは凶報だ」
「吉報とは何ですかね?」
「ヒトラーが死んじまったんだとさ」
「そりゃぁ、いい知らせだ。それで凶報とは?」
「その知らせが誤報だったんだ」
☆偉さ比べ
ロシア戦線で捕虜になったドイツ兵が、ユダヤ人の見張りに向かって言った。
「わがウィルヘルム皇帝は大したものだぞ。毎週一度は前線にお出ましになる」
「なあに、わがニコライ大帝様はもっと偉いよ。自分じゃ動かず、じっとしていたって、毎週前線の方がひとりでに
近付いてくるんだから」
☆もはや逃げ道はない
ユダヤ人が帝政ロシアの兵役義務を逃れようとして、必死になって軍医にいいわけをしていた。
「私は結核なのです」
「それがどうしたというのだ。ボロシロフ将軍だって結核だが、勇敢な軍人だぞ」
「しかし、私の目は片方見えないのです」
「イワノフ将軍を見ろ。片目でありながらも軍人の手本だ」
「おまけに私は、精神薄弱なんです」
「馬鹿いえ。皇帝様はそれでも職務をお果たしになっている」
☆死守すべきは・・・
共産党の政治教育委員が、あるユダヤ人に質問した。
「党がきみの最後の1ルーブルを要求したら、どうするかね?」
「はい、すぐに差し上げます」
「君の持っている最後のシャツを要求したら、提出するかね?」
「いえ、こればかりは死んでも差し上げられません」
「それは、どうしてだ?」
「ルーブルは一枚も持っていませんが、シャツはまだ一枚だけ持ち合わせがありますので」
☆身内には甘い?
プロテスタントの牧師が昇天したところ、天国の入り口で、番人のペトルスがフォルクスワーゲンをくれていった。
「君の善行の報いだよ」
しばらく走っていくと、カトリックの神父がピカピカに光るアメリカの車に乗っているのを見つけた。そこでペトルスに尋ねた。
「あの人は私よりもよいことをしたんですか?」
「あの神父はイエス様にいろいろお供物を供えたんですから、その労に報いなければならないのだ」
しばらくすると、今度はユダヤのラビがロールスロイスに乗っているではないか。牧師は憤然として
「あいつらは主にお供物も何も差し上げないじゃないですか」
というと、ペトルスが小声で答えた。
「シーッ、大きな声を出すんじゃない。あの人は主の身内の人だ」
☆軍法会議
アメリカでは、兵士がポーカーゲームをやることを禁じているが、カトリックとプロテスタントとユダヤ教の信者である兵士が3人禁を犯したため、軍法会議にかけられた。
法廷ではまず、カトリックの兵士が証言した。
「マリア様にかけても、ポーカーなどしたことがないと誓います」
次に、プロテスタントの兵士がいった。
「マルティン・ルターにかけて申し上げます。ポーカーなどやった覚えはありません」
最後に、ユダヤ人の兵士が起立していった。
「ええと、裁判官様。あの、私一人でではポーカーが出来るはずがありません」
☆人を鑑る目
あるユダヤ人がお祈りを捧げていった。
「おお神様、宝くじで当てさせてくださいまし。半分は貧しい人たちに分け与えますから」
しかし、お祈りの甲斐なく、さっぱり当たらなかった。
そこでキリスト教の教会へいって、ろうそくを一本寄付し、賞金の半分 は教会のために寄付しますからと、改めてお祈りを捧げた。
すると、霊験あらたか、なんと宝くじが当たったではないか。
ユダヤ人がうれしそうに言った
「キリスト教の神様は、確かにご利益があることがわかった。しかし、俺たちの神様の方がずっと利口だ。俺がうそつきで
寄付なんかしないことをお見通しなんだからな」
☆ざんげの見返り
ユダヤ人のブラウンとグリーンが、キリスト教に改宗し、神父にざんげすることになった。
最初にグリーンが神父に代六戒(姦淫の罪)を犯したことを告白した。神父は相手が誰かと聞いたところ、グリーンは頑として名前を明かそうとしなかった。
「それではひょっとしたら、パン屋の娘のミリーではないか?」
「とんでもございません、神父様」
「ふーむ、では肉屋のマリーか?」
「いいえ絶対にそうじゃありません」
「そうすると、大工の家のグレテルかもしれないな」
「滅相もない」
グリーンがどうしても名前を言わないので、結局ざんげは無効ということになった。
ブラウは戻ってきたグリーンに好奇心の固まりになってたずねた。
「どうした、グリーン、罪は帳消しにしてもらえたかね?」
「いやいや。許してもらえなかったよ。その代わり、いい住所を三つばかり聞いてきた」
☆敵もさるもの
ユダヤの女がミシミシする橋を渡りながら、神に祈った。
「もし、何事もなく橋を渡りきれましたら、5ギルダーを慈善箱に入れます」
もう少しで渡りきれるというところで、女は思い直した。
「5ギルダーは少し多すぎますから、半ギルダーにまけて、いや払わなくたってようございましょう」
とたんに、橋が揺れ始めた。びっくりした女は、金切り声を上げた。
「冗談言ったのに、すぐ揺さぶるなんて、ひどいじゃありませんか」
☆どこまで行っても平行線
ユダヤ教徒が宗旨変えを使用と思っても、なかなか他の宗教のしきたりがわからない。
たとえば、カトリックの神父が祭壇に近づくとき、帽子を取るといったしきたりがある。
コーンがキリスト教への転向をすすめられた。それでは様子でも見てこようかと教会へ出かけていったが、しばらくして
憤慨して帰ってきた。
「おれは絶対にカトリックなんかならないぞ。あんなインチキなものは滅多とありゃしない。とにかく人はたくさん集まっていて
前の方に大坊主と小坊主、まあ小坊主といったって寺男みたいなもんだが、いるんだ。
そして大坊主が祭壇のところへいって、帽子を脱いだかと思うと、どこかにかくしちまうんだ。それから大声でわめくんだが
たぶん俺の帽子がどっかへいっちまったとでも言ってたんだろう。
するってえと、集まった奴らが声をそろえて、あんたの帽子なんかみたことないと歌うんだよ。
そうすると坊主は自分で隠し たくせに、帽子を見つけてるふりをする。まず厚い本を取りのけてみるが、見つからないので思わせぶりをする。
それから次に箱のふたを開けてのぞき込む。それでも見つからないので、ひざまずいて、祭壇の下などのぞいたり
床の上をきょろきょろ探したりするんだ。
それでも見つからないというんで、寺男が鐘をならしながら銭集めにまわる。これで新しい帽子でを買おうというわけだろう。
金がしこたま集まると、しらばくれて帽子を取り出すんだけど、集めた金なんて返しゃしないんだ」
☆親思いの不信心
あるユダヤ人が友人とやり合っていた
「おれ、キリスト教に宗旨変えするよ」
「なんていうことをするんだ。死んだおとっつぁんが成仏できないで墓石の下で寝返りするぞ」
「いやその心配はないんだ。来週、俺の弟も宗旨変えするんだ。そうしたら、親父はまた寝返りして元通りになるさ
☆苦しい解釈
つね日頃性善説を唱えてやまないラビがいた。どんな罪深い連中でも、それにはそれなりのやむをえない理由があると
情け深い処置をとってくれるので、評判が良かった。
ある日、安息日にも関わらず、くわえタバコで歩いているユダヤ人とバッタリ出会った。役目がら注意しなくてはならない。
「あなたは今日が安息日なのを忘れたんでしょうな」
「いやラビさん。もちろん安息日だと承知の上ですよ」
「それじゃ、安息日は禁煙だということを忘れなすったのでしょう」
「冗談いっちゃいけません。そんなことは百も承知です」
「ふむ、そうすると、お医者さんのすすめでタバコを吸っているのでしょう」
「そんな馬鹿な。好きだからすっているんですよ」
「おお神様。イスラエルの子たちはこのように敬虔でございます。安息日の掟を犯してタバコを吸うような男でも『聖書』の
教えを守って、嘘をつくようなことはいたしておりません」
☆一方通行
一人の男がラビにたずねていった。
「ラビ様、死者との対話は本当にできるものなのでしょうか?」
「もちろんできる。ただ死者に答えを求めることはできない」
☆まともになった男
「あのラビは、本当に奇跡をなされるぞ」
「おれは、そんなこと信じないぞ」
「いやまぁ、聞いてくれ。このあいだ、脳膜炎を患っている男が、ラビのところにいったんだが、まっとうな人間になって帰ってきたんだ」
「ふん、そりゃ確かに奇跡といえるな。だいたいラビに会いに行く奴は阿呆だし、ラビのところから帰ってくるというのは
まともになった証拠だ」
☆贅沢な不満
エルサレムを訪れたキリスト教徒の観光客が、ユダヤ寺院の礼拝式を見物した後でユダヤ人にたずねた。
「いかにもおごそかで結構でしたが、お祈りのとき、モーセの名前が出てくるたびに、信徒がブツブツ言っていたのはなぜでしょうか。
モーセはユダヤ教の予言者として尊敬されているはずでしょうに」
ユダヤ人は不満そうな顔をして答えた。
「いやいや、その男の人気は最近落ちましてね。奴さんの案内のおかげで、我々ユダヤ人、オレンジの安い国にはたどり着きましたけれど
本当は、石油の出る国の方が良かったんですよ」
☆どちらも顔を立てるには
アメリカの田舎町の教会が古びてしまったので、一部手直しする事になった。その費用をまかなうため、募金運動の婦人たちが、ユダヤ人の店にやってきた。
天主のヒルマンは、これは困ったことになったと頭をかいた。
この婦人たちは皆、自分の店の上客だし、そうかといって、キリスト教の教会をたてる基金をユダヤ人として献金するわけにはいかない。
重いあぐねた末に、やっと名案が浮かんだ。
「あのう、修理なさる前に、いたんだ部分は取り壊さなくてはならないんでしょ?」
「ええ、もちろんですとも」
「すると、大分その方の費用もかかりますな」
「そうなんですよ。それだけでも300ドルかかるんですって」
「ほう、それじゃ、その300ドルは、私がお引き受けいたしましょう」
☆信じやすい人
「ラビ様は毎夜神様と対でお話しするような偉い方だ。あまり馬鹿にすると罰が当たるぞ」
「ラビがかみさまと 話をするなど、どうしてお前にはわかるんだ」
「ラビ様ご自身でそうおっしゃている」
「そりゃ、ラビの奴、嘘をついているんだ」
「おそれ多いことを申すでない。神様がうそつき物などと言葉をお交わしになるはずがない」
☆迷惑な中間報告
主人がヘルム出身の下男に、朝五時に起こすようにいいつけた。ところが朝三時になると、下男に揺り起こされてしまった
「旦那さん、あと二時間しかねえので、よく眠るようにな」
☆しっぺ返し
カトリックの神父がユダヤ人をからかっていた。
「あなたにおもしろい話をしてあげよう。あるユダヤ人が天国に忍び込んだ。番人のペトルスが出ていくようにいったが
ユダヤ人は扉の陰にかくれて出ていこうとしない。そこでペトルスが一計を案じて、天国の塀の外で、競売の合図の太鼓を
たたいたら、ユダヤ人め、大慌て出てていってしまったとさ」
聞いていたユダヤ人がうれしそうに言った。
「いやいや、そのお話には続きがあるんですよ。とにかく、ユダヤ人が入ってきたから天国が汚れてしまったというので
きよめの式をやらねばならないと。神父様を捜したんだそうだ。ところが、天国には神父様が一人もいなかったという話ですよ」
☆二つの天国
列車の中で、キリスト教の牧師とユダヤ教のラビが話していた。牧師が顔をしかめていった。
「昨夜はユダヤの天国というものを夢に見たんですが、なんともうすよごれていてパッとしないし、おまけにユダヤ人が大勢
うろうろおりました」
ラビも負けずにいった。
「実は私も、ゆうべキリスト教の天国の夢を見ましてな。とにかく立派なところのようで、花はたくさん咲いていますし
香気に満ちあふれている。太陽はさんさんと輝いている。しかしですなあ、目の届く限り、人っ子一人いませんでしたよ」
☆住めば地獄
国際収支の悪いイスラエルでは観光収入を重視している。あるユダヤ人が死んだ。彼は天国と地獄とどちらがいいかと
ちょっと天国をのぞいてみた。天国はどちらかというとユダヤ寺院と同じように整然として、おごそかであまりおもしろそうで はない。
それなら地獄はどうかと思って、垣間見るとえらく華やかでおもしろそうだった。
結局、ユダヤ人は地獄に住むことにして、入居を許された。ところが角のはえた悪魔がやってきて、彼を串刺しにしようとした。
びっくりした男が話が違うと抗議すると、悪魔が言った
「このあいだきたとき、お前は観光ビザで入ったじゃないか」
☆『タルムード』の本領
「ヨイネさんよ、ユダヤ民族5000年の知恵を集めたっていう『タルムード』つうのは、いったいなんだか教えてくれないかね」
「それじゃあ一つ例をあげて教えてやろう。
ええと、二人の男が煙突の穴から落ちたとする。一人は煤だらけになり、もう一人はきれいだったとすれば、洗う奴はどっちだと思う?」
「そりゃ、汚れた奴に決まっていらあね」
「おっとそれがそうじゃないんだな。汚れたほうがきれいな方をみて思うにゃ、俺も汚れちゃいないな。
ところが、きれいな方 が汚れた奴を見たら、自分も汚れていると思うだろう。だからきれいな方が洗うのさ。
ところでもう一つ聞くが、二人がもう一度煙突の穴に落ちたとしたら、今度はどっちが洗うかね?」
「そりゃもう、知ってのとおり、きれいな方さね」
「と、思っただろう。きれいな方は洗っているとき、別に汚れちゃいないのに気がついたのさ。ところが汚れた方は、きれいな方がどうして洗ったのか察しがついたわけさ。
で今度は汚れた奴が洗ったというのが正解さ。
それでは三番目の質問だが、二人が三度目に煙突の中に落ちたとしたら、今度は誰が洗うと思う?」
「そりゃ、この先はいつも汚れた奴が洗うことになるだろう」
「それがまた間違いなんだな。お前、いったい人間が一緒に煙突の中に落ち込んで、片っ方だけ汚れないのに、もう一方の
奴が汚れたなんて話聞いたことがあるかね。これを『タルムード』というのさ」
☆利口なニワトリ
マーケットから帰ってきたヘルムの女が主人に向かって愚痴を言っていた。
「卵が高くなって困ったわ。ニワトリが卵を生まないもんだから長いこと品切れだったけど、やっと町に出回ってきたと思ったら、2カペーのものが4カペーにもなっているのよ」
これを聞いた主人は感心したようにいった。
「ニワトリって奴は利口なもんだな。2カペーのときはさぼっていて、4カペーになると生み始めるのか」
☆死んでも直らない男
ヘルム出身の下男が
「この瓶に1リットルの酒を買ってこいとおっしゃいましたが、全部は入りませんでしたので、残りは裏のへこみに入れて
もってきました。」
こういって、主人に栓もしていない瓶を逆さまにして差し出した。
「この大馬鹿者。残りの酒はどこにあると思うんだ。」
主人に怒鳴られた下男は、さも不振そうに瓶をまたひっくり返した。
☆あきれた採用基準
ニューヨークのユダヤ商社の女秘書がやめることになった。そこで代わりを見つけるため、『ニューヨークタイムズ』に
求人広告を出したところ、三人の女性が応募してきた。コーンが次々に面接したので、仲間が様子を聞いた。
「三人とも、すばらしい娘たちだよ。最初の子に質問したんだ。1足す1はいくつだとね。そしたら11だと答えるんだ。
なんと機知にたけた答えだろう。こういう子が何かあったときに臨機応変の処置ができるというものだ。
次の子にも同じ質問をしたら、ちょっと考えさせてくださいっていうんだ。これはまた注意深くて、物事をおろそかにせず
じっくりと仕事をする大変な素質の証拠だろう。こんな女の子こそ信頼できるというもんだ。
三番目の子にも同じ質問をしたんだ。彼女は間髪入れずに2と答えるんだ。なんたる正確さだろう。こんな子と仕事ができるなんて、素晴らしいことと思わないかね。」
「なるほど。それで、どの子を採用したんだね?」
「ごもっともな質問だ。そりゃぁ、君、バストが一番きりっとしている子さ」
☆神学的"相対性理論"
乙女がラビを訪れるなら、ラビはラビであり、乙女は乙女である。
ラビが乙女を訪れるならば、ラビはもはやラビではなくなり、乙女は乙女でなくなる。
☆計算が合わない
結婚して5ヶ月しかたたないのに赤ん坊が生まれてしまった。
亭主がどうしても計算が合わないと、隣の家の男に嘆いていった。
隣の男は慰め顔でいった。
「そう気を落とさんでもいいでしょう。もう二度とは起こらないことなんだから」
☆やぶへび
臨月間近となったコーン夫人が、夫にいった。
「ねえ、当分あなたのお相手はできないわ。ほら50マルクあげますから、遊郭へでもいって遊んでらっしゃい。あたしは割り切っているんですから」
夫はこの思いやりに感激して出かけていった。階段を降りていくと、下に住んでいるウォルムス夫人に出会った。
「あら、うれしそうにどちらへお出かけ?」
そこでコーンは思いやりのある妻の話をした。
「まあ、コーンさん。それならわざわざ悪い女がたくさんいるとへなぞいかなくたって、私の家へいらっしゃいな。
50マルクくださったら、ほかならぬお友達の旦那様なんですから、うんとおもてなししてあげますわ」
30分ばかりたって、コーンが家に帰ってくると、コーン夫人はけげんそうにいった。
「あーら、もうお帰りなの。ずいぶん早かったじゃないの」
そこでコーンはウォルムス夫人の話をした。
「へーえ。あの人に50マルクもあげたの。彼女ちゃっかりしてるわね。あたし、あの人のご主人からは1マルクもすら
もらったことないわ」
イスラエルの軍隊である演習の時、橋に次のような標示がしてあった。
-本架橋は爆破されたものと見なす-
丘の上から参謀が双眼鏡で観察していると、歩兵一分隊が、標識にも関わらず
平然と橋を渡っている。激怒した参謀、押っ取り刀でジープをとばした。
兵隊たちを怒鳴りつけようとして、ふと兵隊が担いでいる旗を見ると、なんと
-水泳中- と書いてあった。
☆相手の方が役者が上
イスラエル陸軍の新兵が演習をしていた。
レビ2等兵が敵軍の軍隊を見つけたので、弾丸の入っていない銃を向けてダダダダ...
と、銃声のまねをしたが、敵兵は一向お構いなしに逃げていく。
レビ二等兵はすっかり腹を立てて怒鳴った。
「おまえは撃たれたんだから倒れなくちゃいけないんだぞ!」
「何いっているんだ。俺は戦車だ」 と敵兵から返事が返ってきた。
☆新聞の効能
ナチスの突撃部隊の将校が、列車でユダヤ人と乗り合わせた。
将校はナチスの機関誌を広げて、得々としていった。
「この新聞は非常にためになるので、必読してるのだ」
彼はついでユダヤ系の経済新聞を取りだしてまた言った。
「こいつは、尻を拭くにもってこいだ」
これを聞いたユダヤ人は、もみ手をしながら、うれしそうに言った。
「将校さん、それじゃあんたの尻が頭よりも利口になるのは間近というわけですな」
☆待ちこがれたトップニュース
ヒトラー政権が樹立された。
ベルリンに住むたいていのユダヤ人は、毎朝、新聞売り場でナチスの機関誌を買い1ページにざっと目を走らせただけで
くずかごに放り込むのが習わしだった
ある日、不思議に思った新聞売りが理由を聞いてみた。
「いや、死亡広告だけ探しているのさ」
「死亡広告は最後のページに出ていますよ」
「おれが探しているのは第1面に出るはずさ」
☆つかの間の吉報
ユダヤ人がナチスの圧迫されていた頃、ベルリンの街角で、二人の男が話していた。
「ところでコーンさん、二つばかりいいニュースがありますよ。一つは吉報、もう一つは凶報だ」
「吉報とは何ですかね?」
「ヒトラーが死んじまったんだとさ」
「そりゃぁ、いい知らせだ。それで凶報とは?」
「その知らせが誤報だったんだ」
☆偉さ比べ
ロシア戦線で捕虜になったドイツ兵が、ユダヤ人の見張りに向かって言った。
「わがウィルヘルム皇帝は大したものだぞ。毎週一度は前線にお出ましになる」
「なあに、わがニコライ大帝様はもっと偉いよ。自分じゃ動かず、じっとしていたって、毎週前線の方がひとりでに
近付いてくるんだから」
☆もはや逃げ道はない
ユダヤ人が帝政ロシアの兵役義務を逃れようとして、必死になって軍医にいいわけをしていた。
「私は結核なのです」
「それがどうしたというのだ。ボロシロフ将軍だって結核だが、勇敢な軍人だぞ」
「しかし、私の目は片方見えないのです」
「イワノフ将軍を見ろ。片目でありながらも軍人の手本だ」
「おまけに私は、精神薄弱なんです」
「馬鹿いえ。皇帝様はそれでも職務をお果たしになっている」
☆死守すべきは・・・
共産党の政治教育委員が、あるユダヤ人に質問した。
「党がきみの最後の1ルーブルを要求したら、どうするかね?」
「はい、すぐに差し上げます」
「君の持っている最後のシャツを要求したら、提出するかね?」
「いえ、こればかりは死んでも差し上げられません」
「それは、どうしてだ?」
「ルーブルは一枚も持っていませんが、シャツはまだ一枚だけ持ち合わせがありますので」
☆身内には甘い?
プロテスタントの牧師が昇天したところ、天国の入り口で、番人のペトルスがフォルクスワーゲンをくれていった。
「君の善行の報いだよ」
しばらく走っていくと、カトリックの神父がピカピカに光るアメリカの車に乗っているのを見つけた。そこでペトルスに尋ねた。
「あの人は私よりもよいことをしたんですか?」
「あの神父はイエス様にいろいろお供物を供えたんですから、その労に報いなければならないのだ」
しばらくすると、今度はユダヤのラビがロールスロイスに乗っているではないか。牧師は憤然として
「あいつらは主にお供物も何も差し上げないじゃないですか」
というと、ペトルスが小声で答えた。
「シーッ、大きな声を出すんじゃない。あの人は主の身内の人だ」
☆軍法会議
アメリカでは、兵士がポーカーゲームをやることを禁じているが、カトリックとプロテスタントとユダヤ教の信者である兵士が3人禁を犯したため、軍法会議にかけられた。
法廷ではまず、カトリックの兵士が証言した。
「マリア様にかけても、ポーカーなどしたことがないと誓います」
次に、プロテスタントの兵士がいった。
「マルティン・ルターにかけて申し上げます。ポーカーなどやった覚えはありません」
最後に、ユダヤ人の兵士が起立していった。
「ええと、裁判官様。あの、私一人でではポーカーが出来るはずがありません」
☆人を鑑る目
あるユダヤ人がお祈りを捧げていった。
「おお神様、宝くじで当てさせてくださいまし。半分は貧しい人たちに分け与えますから」
しかし、お祈りの甲斐なく、さっぱり当たらなかった。
そこでキリスト教の教会へいって、ろうそくを一本寄付し、賞金の半分 は教会のために寄付しますからと、改めてお祈りを捧げた。
すると、霊験あらたか、なんと宝くじが当たったではないか。
ユダヤ人がうれしそうに言った
「キリスト教の神様は、確かにご利益があることがわかった。しかし、俺たちの神様の方がずっと利口だ。俺がうそつきで
寄付なんかしないことをお見通しなんだからな」
☆ざんげの見返り
ユダヤ人のブラウンとグリーンが、キリスト教に改宗し、神父にざんげすることになった。
最初にグリーンが神父に代六戒(姦淫の罪)を犯したことを告白した。神父は相手が誰かと聞いたところ、グリーンは頑として名前を明かそうとしなかった。
「それではひょっとしたら、パン屋の娘のミリーではないか?」
「とんでもございません、神父様」
「ふーむ、では肉屋のマリーか?」
「いいえ絶対にそうじゃありません」
「そうすると、大工の家のグレテルかもしれないな」
「滅相もない」
グリーンがどうしても名前を言わないので、結局ざんげは無効ということになった。
ブラウは戻ってきたグリーンに好奇心の固まりになってたずねた。
「どうした、グリーン、罪は帳消しにしてもらえたかね?」
「いやいや。許してもらえなかったよ。その代わり、いい住所を三つばかり聞いてきた」
☆敵もさるもの
ユダヤの女がミシミシする橋を渡りながら、神に祈った。
「もし、何事もなく橋を渡りきれましたら、5ギルダーを慈善箱に入れます」
もう少しで渡りきれるというところで、女は思い直した。
「5ギルダーは少し多すぎますから、半ギルダーにまけて、いや払わなくたってようございましょう」
とたんに、橋が揺れ始めた。びっくりした女は、金切り声を上げた。
「冗談言ったのに、すぐ揺さぶるなんて、ひどいじゃありませんか」
☆どこまで行っても平行線
ユダヤ教徒が宗旨変えを使用と思っても、なかなか他の宗教のしきたりがわからない。
たとえば、カトリックの神父が祭壇に近づくとき、帽子を取るといったしきたりがある。
コーンがキリスト教への転向をすすめられた。それでは様子でも見てこようかと教会へ出かけていったが、しばらくして
憤慨して帰ってきた。
「おれは絶対にカトリックなんかならないぞ。あんなインチキなものは滅多とありゃしない。とにかく人はたくさん集まっていて
前の方に大坊主と小坊主、まあ小坊主といったって寺男みたいなもんだが、いるんだ。
そして大坊主が祭壇のところへいって、帽子を脱いだかと思うと、どこかにかくしちまうんだ。それから大声でわめくんだが
たぶん俺の帽子がどっかへいっちまったとでも言ってたんだろう。
するってえと、集まった奴らが声をそろえて、あんたの帽子なんかみたことないと歌うんだよ。
そうすると坊主は自分で隠し たくせに、帽子を見つけてるふりをする。まず厚い本を取りのけてみるが、見つからないので思わせぶりをする。
それから次に箱のふたを開けてのぞき込む。それでも見つからないので、ひざまずいて、祭壇の下などのぞいたり
床の上をきょろきょろ探したりするんだ。
それでも見つからないというんで、寺男が鐘をならしながら銭集めにまわる。これで新しい帽子でを買おうというわけだろう。
金がしこたま集まると、しらばくれて帽子を取り出すんだけど、集めた金なんて返しゃしないんだ」
☆親思いの不信心
あるユダヤ人が友人とやり合っていた
「おれ、キリスト教に宗旨変えするよ」
「なんていうことをするんだ。死んだおとっつぁんが成仏できないで墓石の下で寝返りするぞ」
「いやその心配はないんだ。来週、俺の弟も宗旨変えするんだ。そうしたら、親父はまた寝返りして元通りになるさ
☆苦しい解釈
つね日頃性善説を唱えてやまないラビがいた。どんな罪深い連中でも、それにはそれなりのやむをえない理由があると
情け深い処置をとってくれるので、評判が良かった。
ある日、安息日にも関わらず、くわえタバコで歩いているユダヤ人とバッタリ出会った。役目がら注意しなくてはならない。
「あなたは今日が安息日なのを忘れたんでしょうな」
「いやラビさん。もちろん安息日だと承知の上ですよ」
「それじゃ、安息日は禁煙だということを忘れなすったのでしょう」
「冗談いっちゃいけません。そんなことは百も承知です」
「ふむ、そうすると、お医者さんのすすめでタバコを吸っているのでしょう」
「そんな馬鹿な。好きだからすっているんですよ」
「おお神様。イスラエルの子たちはこのように敬虔でございます。安息日の掟を犯してタバコを吸うような男でも『聖書』の
教えを守って、嘘をつくようなことはいたしておりません」
☆一方通行
一人の男がラビにたずねていった。
「ラビ様、死者との対話は本当にできるものなのでしょうか?」
「もちろんできる。ただ死者に答えを求めることはできない」
☆まともになった男
「あのラビは、本当に奇跡をなされるぞ」
「おれは、そんなこと信じないぞ」
「いやまぁ、聞いてくれ。このあいだ、脳膜炎を患っている男が、ラビのところにいったんだが、まっとうな人間になって帰ってきたんだ」
「ふん、そりゃ確かに奇跡といえるな。だいたいラビに会いに行く奴は阿呆だし、ラビのところから帰ってくるというのは
まともになった証拠だ」
☆贅沢な不満
エルサレムを訪れたキリスト教徒の観光客が、ユダヤ寺院の礼拝式を見物した後でユダヤ人にたずねた。
「いかにもおごそかで結構でしたが、お祈りのとき、モーセの名前が出てくるたびに、信徒がブツブツ言っていたのはなぜでしょうか。
モーセはユダヤ教の予言者として尊敬されているはずでしょうに」
ユダヤ人は不満そうな顔をして答えた。
「いやいや、その男の人気は最近落ちましてね。奴さんの案内のおかげで、我々ユダヤ人、オレンジの安い国にはたどり着きましたけれど
本当は、石油の出る国の方が良かったんですよ」
☆どちらも顔を立てるには
アメリカの田舎町の教会が古びてしまったので、一部手直しする事になった。その費用をまかなうため、募金運動の婦人たちが、ユダヤ人の店にやってきた。
天主のヒルマンは、これは困ったことになったと頭をかいた。
この婦人たちは皆、自分の店の上客だし、そうかといって、キリスト教の教会をたてる基金をユダヤ人として献金するわけにはいかない。
重いあぐねた末に、やっと名案が浮かんだ。
「あのう、修理なさる前に、いたんだ部分は取り壊さなくてはならないんでしょ?」
「ええ、もちろんですとも」
「すると、大分その方の費用もかかりますな」
「そうなんですよ。それだけでも300ドルかかるんですって」
「ほう、それじゃ、その300ドルは、私がお引き受けいたしましょう」
☆信じやすい人
「ラビ様は毎夜神様と対でお話しするような偉い方だ。あまり馬鹿にすると罰が当たるぞ」
「ラビがかみさまと 話をするなど、どうしてお前にはわかるんだ」
「ラビ様ご自身でそうおっしゃている」
「そりゃ、ラビの奴、嘘をついているんだ」
「おそれ多いことを申すでない。神様がうそつき物などと言葉をお交わしになるはずがない」
☆迷惑な中間報告
主人がヘルム出身の下男に、朝五時に起こすようにいいつけた。ところが朝三時になると、下男に揺り起こされてしまった
「旦那さん、あと二時間しかねえので、よく眠るようにな」
☆しっぺ返し
カトリックの神父がユダヤ人をからかっていた。
「あなたにおもしろい話をしてあげよう。あるユダヤ人が天国に忍び込んだ。番人のペトルスが出ていくようにいったが
ユダヤ人は扉の陰にかくれて出ていこうとしない。そこでペトルスが一計を案じて、天国の塀の外で、競売の合図の太鼓を
たたいたら、ユダヤ人め、大慌て出てていってしまったとさ」
聞いていたユダヤ人がうれしそうに言った。
「いやいや、そのお話には続きがあるんですよ。とにかく、ユダヤ人が入ってきたから天国が汚れてしまったというので
きよめの式をやらねばならないと。神父様を捜したんだそうだ。ところが、天国には神父様が一人もいなかったという話ですよ」
☆二つの天国
列車の中で、キリスト教の牧師とユダヤ教のラビが話していた。牧師が顔をしかめていった。
「昨夜はユダヤの天国というものを夢に見たんですが、なんともうすよごれていてパッとしないし、おまけにユダヤ人が大勢
うろうろおりました」
ラビも負けずにいった。
「実は私も、ゆうべキリスト教の天国の夢を見ましてな。とにかく立派なところのようで、花はたくさん咲いていますし
香気に満ちあふれている。太陽はさんさんと輝いている。しかしですなあ、目の届く限り、人っ子一人いませんでしたよ」
☆住めば地獄
国際収支の悪いイスラエルでは観光収入を重視している。あるユダヤ人が死んだ。彼は天国と地獄とどちらがいいかと
ちょっと天国をのぞいてみた。天国はどちらかというとユダヤ寺院と同じように整然として、おごそかであまりおもしろそうで はない。
それなら地獄はどうかと思って、垣間見るとえらく華やかでおもしろそうだった。
結局、ユダヤ人は地獄に住むことにして、入居を許された。ところが角のはえた悪魔がやってきて、彼を串刺しにしようとした。
びっくりした男が話が違うと抗議すると、悪魔が言った
「このあいだきたとき、お前は観光ビザで入ったじゃないか」
☆『タルムード』の本領
「ヨイネさんよ、ユダヤ民族5000年の知恵を集めたっていう『タルムード』つうのは、いったいなんだか教えてくれないかね」
「それじゃあ一つ例をあげて教えてやろう。
ええと、二人の男が煙突の穴から落ちたとする。一人は煤だらけになり、もう一人はきれいだったとすれば、洗う奴はどっちだと思う?」
「そりゃ、汚れた奴に決まっていらあね」
「おっとそれがそうじゃないんだな。汚れたほうがきれいな方をみて思うにゃ、俺も汚れちゃいないな。
ところが、きれいな方 が汚れた奴を見たら、自分も汚れていると思うだろう。だからきれいな方が洗うのさ。
ところでもう一つ聞くが、二人がもう一度煙突の穴に落ちたとしたら、今度はどっちが洗うかね?」
「そりゃもう、知ってのとおり、きれいな方さね」
「と、思っただろう。きれいな方は洗っているとき、別に汚れちゃいないのに気がついたのさ。ところが汚れた方は、きれいな方がどうして洗ったのか察しがついたわけさ。
で今度は汚れた奴が洗ったというのが正解さ。
それでは三番目の質問だが、二人が三度目に煙突の中に落ちたとしたら、今度は誰が洗うと思う?」
「そりゃ、この先はいつも汚れた奴が洗うことになるだろう」
「それがまた間違いなんだな。お前、いったい人間が一緒に煙突の中に落ち込んで、片っ方だけ汚れないのに、もう一方の
奴が汚れたなんて話聞いたことがあるかね。これを『タルムード』というのさ」
☆利口なニワトリ
マーケットから帰ってきたヘルムの女が主人に向かって愚痴を言っていた。
「卵が高くなって困ったわ。ニワトリが卵を生まないもんだから長いこと品切れだったけど、やっと町に出回ってきたと思ったら、2カペーのものが4カペーにもなっているのよ」
これを聞いた主人は感心したようにいった。
「ニワトリって奴は利口なもんだな。2カペーのときはさぼっていて、4カペーになると生み始めるのか」
☆死んでも直らない男
ヘルム出身の下男が
「この瓶に1リットルの酒を買ってこいとおっしゃいましたが、全部は入りませんでしたので、残りは裏のへこみに入れて
もってきました。」
こういって、主人に栓もしていない瓶を逆さまにして差し出した。
「この大馬鹿者。残りの酒はどこにあると思うんだ。」
主人に怒鳴られた下男は、さも不振そうに瓶をまたひっくり返した。
☆あきれた採用基準
ニューヨークのユダヤ商社の女秘書がやめることになった。そこで代わりを見つけるため、『ニューヨークタイムズ』に
求人広告を出したところ、三人の女性が応募してきた。コーンが次々に面接したので、仲間が様子を聞いた。
「三人とも、すばらしい娘たちだよ。最初の子に質問したんだ。1足す1はいくつだとね。そしたら11だと答えるんだ。
なんと機知にたけた答えだろう。こういう子が何かあったときに臨機応変の処置ができるというものだ。
次の子にも同じ質問をしたら、ちょっと考えさせてくださいっていうんだ。これはまた注意深くて、物事をおろそかにせず
じっくりと仕事をする大変な素質の証拠だろう。こんな女の子こそ信頼できるというもんだ。
三番目の子にも同じ質問をしたんだ。彼女は間髪入れずに2と答えるんだ。なんたる正確さだろう。こんな子と仕事ができるなんて、素晴らしいことと思わないかね。」
「なるほど。それで、どの子を採用したんだね?」
「ごもっともな質問だ。そりゃぁ、君、バストが一番きりっとしている子さ」
☆神学的"相対性理論"
乙女がラビを訪れるなら、ラビはラビであり、乙女は乙女である。
ラビが乙女を訪れるならば、ラビはもはやラビではなくなり、乙女は乙女でなくなる。
☆計算が合わない
結婚して5ヶ月しかたたないのに赤ん坊が生まれてしまった。
亭主がどうしても計算が合わないと、隣の家の男に嘆いていった。
隣の男は慰め顔でいった。
「そう気を落とさんでもいいでしょう。もう二度とは起こらないことなんだから」
☆やぶへび
臨月間近となったコーン夫人が、夫にいった。
「ねえ、当分あなたのお相手はできないわ。ほら50マルクあげますから、遊郭へでもいって遊んでらっしゃい。あたしは割り切っているんですから」
夫はこの思いやりに感激して出かけていった。階段を降りていくと、下に住んでいるウォルムス夫人に出会った。
「あら、うれしそうにどちらへお出かけ?」
そこでコーンは思いやりのある妻の話をした。
「まあ、コーンさん。それならわざわざ悪い女がたくさんいるとへなぞいかなくたって、私の家へいらっしゃいな。
50マルクくださったら、ほかならぬお友達の旦那様なんですから、うんとおもてなししてあげますわ」
30分ばかりたって、コーンが家に帰ってくると、コーン夫人はけげんそうにいった。
「あーら、もうお帰りなの。ずいぶん早かったじゃないの」
そこでコーンはウォルムス夫人の話をした。
「へーえ。あの人に50マルクもあげたの。彼女ちゃっかりしてるわね。あたし、あの人のご主人からは1マルクもすら
もらったことないわ」
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