誰しもが少なからずは持っている自己顕示欲。会った人に自分の印象を植え付けたいなどと、純粋に交友関係を広める目的においては必要性がありそうだが、多くの知人の目にさらされるネット上となると、それは違った様相を見せる。

 かつてはリアルの場でのみ繰り広げられていた“人脈アピール”。Facebookを代表とするSNS、NewsPicksなどのキュレーションメディアが全盛の今日、ネットでの人脈アピールはリアルの場以上に激しく展開されている。

  特に、こうしたアピールが顕著なのがFacebookのアクティブユーザーと言われる40代男性。20年以上にわたりキャリアを積み重ねた結果、多くの人 と知り合い、若者から遅れること数年、SNSという武器を手に入れた彼ら。年下の若者たちからも見られるSNSという場だからこそ、彼らはこれでもかとば かりに自己顕示欲を露呈してくる。

 だが、そんなおっさんたちの“人脈アピール”だらけのタイムラインに辟易してSNSを更新しなくなっ た若者たちは、彼らの投稿を冷笑気味に観察していた。日頃、Facebookやキュレーションメディアに触れる機会が多いIT業界の20~30代の会社員 にウザい“ソーシャル親友”アピールについて話を聞いた。

◆1.専門業界の人とつながっているアピール

「ヤフトピで掲載 されている経済ニュースの裏事情を知っている風に『元経済産業省の○○さんと先日会食でこの話題になりましたが、日本政府にもこの問題にかんしては動いて いるらしく…』と、ナマの情報を掴んでいることをシェアした元会社の上司。でも肝心の答えは言わないから、こちらとしては無駄な文字を頭に入れてしまった わけです」(35歳・ライター・男性)

「VRネタや医療ネタなど、難解な知識を要するテクノロジー系のニュースをあえてシェアして、その 分野の専門家と知り合いであることをアピールするのは40代に多い。まあそれだけ長く仕事をしていたら知り合いも増えるだろうけど、それを全世界に発信す るなよ(笑)」(32歳・エンジニア・男性)

◆2.話をワザと振って人脈をアピール

「NewsPicksで自分の意見を述べる人というのはよく見ますが、そこから『これは面白い取り組み。◯◯さんの話を聞いてみたい』と議論を深めることを建前に人脈アピールする奴がいます。よくわかんない起業家に多い」(32歳・広告・女性)

「知り合いの専門家の名前を出したいがためにニュースをシェアするおっさんは気持ち悪い。ホリエモンみたいにニュース記事は一言だけ素直に思ったことをコメントするほうが好印象」(32歳・コンサル・男性)

◆3.著名人をタグ付けして仲良しアピール

「全 体公開の投稿で、やまもといちろう氏や家入一真氏などネット業界の著名人とのツーショット写真のみアップする知人がいます。その時点で鼻につく感じはする のですが、そいつは元々彼らと仲が良かったわけではなく、イベント終わりで挨拶した流れから話が弾んでFacebookの友だち申請をしたタイプ。あたか も長い付き合いがあったかのように顔を寄せて写真をタグ付けしてアップ。普段の冴えない交友関係を知っているだけに、『俺はこんな人とも繋がりがあるんだ ぜ』と主張をするその写真を見ると、小物にしか感じない」(31歳・Webメディア編集・男性)

 どうやら、若者たちはおっさんたちの想像以上に彼らの痛い行動を観察しているようだ。これってもしや自分では…!?と思い当たるフシがある人は自らの投稿を改めてみるのもよいかもしれない。 <取材・文/日刊SPA!取材班>

虚像をを作りたがる人は、その”虚像”によって勝手につぶれていく。